英検準1級単語ドリル 黒猫版



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あたしは洞窟の奥から人が歩いてくる音を聞いた。



その音は近づくように大きくなって人の気配となる。



洞窟の奥から出てきたのは魔導師の服で身体を覆った、背のかなり高い老人だった。



「こんにちは、選ばれし者よ」と白髪の老人は口を開く。



あたしはその老人をにらみつけるように見た。



今のあたしは魔導師の誰に対してもこんな態度をとるだろう。



「ここの居心地はいささか悪いの」と老人はあたりを見回しながら指を鳴らした。



黒い光がほとばしると、周りは木製の小屋になった。



奥の明かりに照らされた部屋は、右側は本棚が壁を覆うようにして立ち、


左側は今まで見たことも無いような雑草、液体とガラス製の容器が並んでいた。



椅子に腰掛けるように促され、あたしは座った。この奇妙な空間で初めて楽な姿勢をとった。



そう思うとなんだか相手に乗せられてしまった気がした。


「君をいきなり闇のデュエルに引き込んですまんかったの。


我らは闇の力を発揮する時、その世界の者の力が必要だからじゃ。


影は光を遮るものがないと生まれない。君に遮ってもらう必要があったのじゃ」



あたしは黙った。黙り続けた。



影の力。おそらくそれはあたしを苦しめた力。



この魔導師達もあたしを苦しめようとするに違いない。



あたしは何も知らされずに苦痛と立ち会う事になったのだから。



「影の力とは光より生まれる別の力の事じゃ。光の力とも永遠の闇とも違う力。


影の力は光が闇を冒さぬように、闇が光をかき消さぬようにバランスを取っていたのじゃ。


ある時は正しき闇の力を支え、ある時は光の力を支えて悪しき闇を封じてきた。


今、何者かによって光と闇のバランスが崩されようとしている。


君の助けを貸してほしい。バランスを保ち、宇宙を安定させるために」



あたしは口を開かずに、ただ眼の前の老人を凝視していた。



影の力?よく意味が分からない。そもそもあたしにそんな力は必要ない。



あたしのそんな様子を見て、老人は目で表情を作るようにこちらをはっきり見た。



何だか悲しそうだった。



あたしを傷つけておいて、それでいてあたしがその痛みの根源を拒絶したら憐れみを見せるか。



しかしそんなあたしの様子を見て楽しそうにしている人がいた。



エミリィはちょこんと小さい椅子に腰かけていたのだが、


あたしの話を聞いているうちに足を小さくばたつかせていたり、


手を頭の後ろで組んだりしながら、にんまりとした表情をとっている。



あたしはそれに苛立って彼女を睨んだのだが、彼女は姿勢を正しても表情は変えなかった。



「やっぱり。あたしの思ったとーりね」


と少女はうふふと笑みを我慢しきれずにこぼしながら言った。



「あなたは気づいていないようね。自分の力に」



「力って何よ!あたしは力なんて・・・・・・」



「アハハハハ、何も気づかないなんてねー。そんなに強い力を持っているのに」



「持ってないって言ってるでしょ!」


あたしが腕を振り回すと、


エミリィはその力から逃れるようにふわっとのけぞってみせた。



「あなたは面白いわ。格別にね」



「どこがよっ!」



「現在しんこー形で力は漏れ出しているのに、力が無いといっているわ。


あなたは力を持て余している。


あなたからは極論、泉のように湧きだしているんだけど、


それをしまう入れ物がないわ。


だからあなたの力を私達のデッキに込めるの」



あたしはきょとんとしてしまった。そしてあたしの手を見る。



温かい血が流れているはず。手相が刻みこまれているはず。



それは紛れもなく人間の手だった。



あたしのその様子をみて、エミリィは続けた。



「あなたの力を私達にちょうだい。美味しくいただいちゃうから」


と少女はぺろりとしながら囁く。



あたしは返事の代わりに無言で立った。



そして老人と少女に背を向ける。



「無理よ。あたしは・・・・・・」



うつむいたまま部屋を出る。



「そんな力は・・・持ってないんだから・・・・・・」


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まだ遊里は自分の才能に気がついてないんだな
早いトココントロールできるようにしないと
アキの二の舞になってしまう!

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